読書メモ: 世界標準の経営理論 - 第4章 SCP対RBV、および競争の型

前回の 読書メモ: 世界標準の経営理論 - 第3章 リソース・ベースド・ビュー (RBV) の続きを読んでいきます。

ここまで読み進めてみて、どうも 連続性をかなり感じる というか、 章ごとに読めるのは後半だけなんじゃないかという気がしてきています。

だいぶこの第1〜3章までが、前章の話を前提とした話になっているような気がしていて、 まあそれぞれ分かりやすくて読みやすくはあるんですが、 文章内にも一定間隔で「前章を参照」とかってワードが出てきます。

第4章についても、第1章で出てきたSCP理論の話と、第3章で出てきたRBVの話の比較みたいな話から始まっていて、 これ、この章だけ読む始めるの無理だよなーと思いながら読んでたりしてました。

僕は経営周りに全然詳しくないので、書いてある順に読んでいこうと思います。 「ここの理解少し間違ってるよ」などあれば、どしどしご指摘いただければと思います。

『第4章 SCP対RBV、および競争の型』の概要

第4章はまとめるとこんな感じの内容でした。

  • SCP と RBV のどっちが優れているとかいう話ではなく、 SCP と RBV の両方大事
  • 競争の型は3種類ある
    • IO (Industrial Organization) 型の競争
      • 市場構造、競争構造に障壁を作り、新規参入を阻むなどして完全競争から如何にして離れるかを考える
      • SCP によく合う
    • チェンバレン型の競争
      • 前提としてすべての企業が差別化されており、どのように勝てる差別化をしていくかを考える
      • RBV によく合う
    • シュンペーター型の競争
      • 不確実性の高さを前提にしつつ、試行錯誤やいかにして環境の変化に対応するかを考える
  • 競争の型が違えば戦略も変わってくる ので、どの型の競争に近いのか俯瞰して考えてみるの大事

SCP と RBV の両方大事

ここだけ見ると、考え方も違うしまあそうですよね、となるのですが、 SCP と RBV はそもそも前提としている『競争の型』が異なる 、と紹介されています。

競争の型、とは?

競争環境が違ってくれば、競争の戦略も変わってくるよね?というところから、 競争(環境)の型を理解するのが大事だと触れられています。

書籍上では3つの型が紹介されていますが、必ずしも現実において綺麗にこの3つの型のどれかに収まるとは限らず、 実際は程度問題だけど、どの型が強いかは俯瞰ですよね、とも書いています。

  • IO (Industrial Organization) 型の競争
  • チェンバレン型の競争
  • シュンペーター型の競争

どうでもいいですが、 IO 型とだけ書かれてしまうと Input/Output かな?と思ってしまいますね。 ここでは入出力ではなく、経済学の産業組織論(Industrial Organization)に基づく競争の概念のことを指しています。

それぞれ見ていきます。

IO (Industrial Organization) 型の競争

こちらは、 何もしてなければ差別化できない、完全競争になってしまう 類の競争環境ですね。

なので、市場構造、競争構造に障壁を作り、新規参入を阻むなどして、 完全競争から如何にして完全独占に近づけるかを考える、つまりは SCP 的な考え方をすると良いとされています。

具体事例として、米国のシリアル業界やコーラ業界が紹介されていて、 多額の広告費を出したり、店頭の棚スペースを占有するなどして、 他会社の参入障壁を引き上げるといった SCP の考え方に沿った戦略を取り、 完全独占の状態に近づけてきた話が載っています。

チェンバレン型の競争

一方でこちらは、 すべての企業が差別化されている前提 の競争環境です。

確かにすでに差別化されている前提なら、如何にして差別化するかなどの議論は意味をなさないですね。

差別化されてはいるものの、厳しい競争の中で 勝つ差別化 をするためには、人材やブランドなどの リソースを活用 していく、 つまりは第3章であったような RBV のような考え方を使うといいよ、と触れています。

シュンペーター型の競争

さらに、おそらく SCP や RBV の範囲外の話として、3つ目の競争の型が紹介されています。

不確実性の高い、予測が立てにくい業界、競争環境を前提 としているので、 そもそも適用できる理論も異なってくるよね、という感じの話です。

その適用できる理論というのが、まだこれから先に紹介されるであろうものになってくるので、 ここでは軽く触れておく程度にしておきます。

ちなみに IT 業界の多くはそのような状況にある、と文章内にも書かれています。

競争の型が違えば戦略も変わってくる

確かに前提条件が異なるのに、同じテーマの話題をして話噛み合わない、みたいなケースは多分にありますからねー。

前提となる競争環境をまず見定めて、その上で成り立つ理論を使いつつ、自分なりに理論を思考の軸として活用できたらいいかなって思いました。

まとめ

  • 競争の戦略を考える前に、競争(環境)の型を考える
  • 競争(環境)の型には3種類あって、どの型か考えながら戦略考えると良さげ

他にも、 日本企業に戦略がない、というのは本当なの? みたいな話も紹介されていて、 それらについても分かりやすく解説されているので、興味ある人は実際読んでみたらいいんじゃないかと思います。

参考 URL

もし記事内に誤りなどございましたら、 @girigiribauer までご一報いただけると助かります。