前回の 読書メモ: 世界標準の経営理論 - 第9章 ゲーム理論2 の続きを読んでいきます。
ここに来てようやく第10章、第1部(第1章〜第10章)をすべて読破したことになります。
やったー!
読破という言葉が適切だと思うくらい分厚い本ですが、すらすら読めるせいか、まだ読書メモが続いているのが嬉しいです。
ただページ数的には、まだ 1/4 くらいを読み終えたところで、 あまり気負わずに暇な時に少しずつ読んでいきたいところですね。
最近ちゃんと読書時間のログを取っているのですが、 どうやらこの本1章分を読みはじめて、ブログにまとめ終わるまでが1時間半〜2時間ほどらしく、 読むだけなら30分程度、あるいは30分かかってないのかなーという感じです。
まあこれくらいなら気軽に投稿できそうです。
「ここの理解少し間違ってるよ」などあれば、どしどしご指摘いただければと思います。
第10章はまとめるとこんな感じの内容でした。
この章の序盤に、以前からの事業評価の定番手法みたいなものが紹介されていたのですが、 ざっくりとしか書かれておらず、詳しくはファイナンスの教科書見てくれ、的なことが書かれているので、 従来と比較してうんぬん、という話は私にもよく分からないのですが、 リアル・オプションが何なのか?を端的に言ってしまうと以下の通りです。
ミャンマーのコーヒー市場の例が紹介されていますが、 今後10年で平均15%成長かもしれないが、逆に2%成長程度に留まる可能性もある、という不確実性の高い状態 では、 間を取って8%くらいの成長率を想定したり、もうちょっと控えめで無難な5%くらいを想定したりと、 不確実性が大きいがために、結局事業が行われないことが多くなる ことが従来の手法を用いた例として挙げられています。
一方で小さく始めるリアル・オプションを用いると、以下のメリットがあるよとされています。
まさに『スモールスタート』ですね。
有効な時の主な条件として3つ紹介されています。
投資の不可逆性が高いケースとして、工場建設など巨額の固定費がかかるケースが紹介されていますが、 もし最初から大規模に投資してしまった場合、下振れしてしまったら取り返せなくなりますね。 まさにそのようなケースにおいて、リアル・オプションは有効だよとされています。
オプション行使コストについては、後になって上振れした場合に、 「よし、じゃあ追加投資しよう!」となったはいいものの、 当初想定していた以上のオプション行使にコストがかかってしまうと、リアル・オプションの効果が半減してしまいます。 ここでは上場企業への買収となってしまったがために、多額のプレミアムを上乗せしてしまうケースが例として紹介されています。
現実問題、マイナス2%から20%のような確率分布で表せるようなシンプルなものではないよ、と紹介されています。
その不確実性について様々な種類分けが行われているらしいのですが、 それについて軽く触れてみます。
オプション的な戦略を活用する上で必要なスキルとして、 『事業環境の不確実性を見抜き、不確実性のタイプを絞り込む力』 が必要だ、とされています。
さて、事業環境の不確実性を見抜く力とはなんでしょう?
事業環境の不確実性を見抜く力、というのは、人・組織がいかに事業環境を『正確に認知できるか?』ということなので、 範囲として『認知心理学』の分野 なのでは?と触れられています。
まあつまりは、次章以降でその辺も触れていくよということのようなので、 このリアル・オプション理論についても、思考の軸として持っておいて、使えるところで使っていけばいいかなという感じですね。
良い方に転がるか?ダメな方に転がるか?くらいの選択肢だったら、試しにやってみてダメなら撤退、良いなら拡大しちゃえばいいじゃん、っていうのはまさにその通りですね。
書籍中にもリーン・スタートアップの主張はコール・オプションに極めて近いよ、と紹介されており、 実際に応用がしやすい話なのかな、とも思いました。
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