読書メモ: 世界標準の経営理論 - 第34章 組織行動・人事と経営理論

前回の 読書メモ: 世界標準の経営理論 - 第33章 戦略とイノベーションと経営理論 の続きを読んでいきます。

今回が第34章で、第41章まで(終章除く)なので、今回含めて残り8章分かな?

ここからのターンは、ビジネスの事象に対して、 今まで出てきたマトリックスの表を見ながら、 複数の分野をまたいだ筆者視点の話が続いていきそうな感じです。

前回読んでて最後にもチラッと書いたんですけど、 この複数の分野(経済学、心理学、社会学)をまたいだ話っていうのが、 たぶん中々他の人にはできなさそうな感じなんですよね。 そういう意味でも、この第5部はいわゆる筆者のターンなんじゃなかろうかと。

今日もどんどん読んでいきます。

「ここの理解少し間違ってるよ」などあれば、どしどしご指摘いただければと思います。

『第34章 組織行動・人事と経営理論』の概要

第34章はまとめるとこんな感じの内容でした。

  • 組織行動( Organizational Behavior, OB )人的資源管理(Human Resource Management, HRM ) の話、この領域の大部分はミクロ心理学をベースにしている
    • すでに分野と理論が1対1になっているものもある、リーダーシップやモチベーションなど
  • 今後の OB&HRM の分野、特に HRM の分野は、ミクロ心理学だけに留まらない話が増えていくはず
    • HRM と戦略の融合が進む 、また前章で戦略とイノベーションの融合が進むがゆえに、 HRM とイノベーションが融合する ことにもつながる

組織行動や人的資源管理とは、どの部分の話なのか

今回もビジネス事象(分野)と、経営理論のマトリックス、表がどーんと載っていたのですが、 結構項目が多いなーと思って見てました。横軸だけ列挙してみましょうか。

ちなみに、この 組織行動( Organizational Behavior, OB )人的資源管理(Human Resource Management, HRM ) の分野は、 大きく個人、チーム、組織の3階層に分けられるそうです。

個人レベルの OB&HRB に関するビジネス事象

  • 評価
  • 仕事への満足度
  • 採用
  • 研修
  • 仕事のストレス

他にもあるそうですが、上記以外は分野と理論が1対1になってて、 すでに紹介されているもののようです。

この辺は人によってだいぶ対応異なってくるやつですよね。

例えば仕事への満足度の項目についてだったら、同じ評価でも満足できる人、不満を持つ人がいる、みたいな話で、 感情の理論(第22章)あたりも参考になるし、 この本でもカバーできてないところもあるので、各種専門書を読んでね、ともあります。

from 読書メモ: 世界標準の経営理論 - 第22章 感情の理論

ここで筆者が大事だと言っているのは、あくまで思考の軸をもってもらうことだ、と言っていて、 理論の網羅性とかは個人的には二の次でいいかなと思っていたりもしてます。

それこそ興味のある分野が各々見つかったのなら、思考の軸を学び取りつつも、 自身でどんどん掘り下げていってもいいのかなと。

チームレベルの OB&HRB に関するビジネス事象

  • チームワーク
  • パワーとポリティックス
  • 交渉と摩擦

パワーとポリティックスってなんだろう?と思ったんですけど、社内政治的なやつだそうでw

そんなとこまで研究してるんですね。 ちなみに第29章で出てきた資源依存理論が使えるとのことですが、 ここで出てきたのって会社間の話だったかと思うんですけど、社内でも活かせるよってことなんでしょうか?

組織レベルの OB&HRB に関するビジネス事象

  • 組織文化
  • 組織変化

包括的な分野なので、多様な理論が応用されるが、特にリーダーシップや認知、感情あたりの理論がよく応用されるとのことでした。

OB&HRB って広い分野だ・・・

対象はものすごく広そうで、経営者ってこの辺全部見ていかなきゃいけないんですかね、なんだか大変だ・・・。

まあとはいえ、現状では大部分がミクロ心理学の分野の話になるよ、というところでしょうか。

今後の OB&HRM の分野の話

さて、ここからが筆者のターンです。

上ではこの OB&HRB の分野は大部分がミクロ心理学から応用できるよ、って感じのまとめ方だったんですけど、 これから大きな転換点を迎えるはずだ、特に HRM (人事)周りが大きく変わってくるよと筆者は述べています。

分野ごとにだいたいこんな感じ。

  • 経済学視点
    • 人事に関する様々なデータが取れるようになる
    • ICT ・ビッグデータ可視化
  • マクロ心理学視点
    • ミクロ心理学との融合が始まる
    • 人事とイノベーションが融合する
  • 社会学視点
    • 社内の人と人のネットワーク構造も可視化できるようになる
    • 例: Sansan 、名刺交換をベースにした社内外の人脈データの活用

面白いポイントだけ紹介しておきます。

人事とイノベーションが融合しちゃう話

HRM (人事)が、イノベーション領域と融合していくことは間違いない、と筆者は述べていて、 その前段階として HRM と戦略の融合 が起きつつあると言っています。

これは第一線で活躍する経営者の中でも常識になってきてるとのことで、 元 LIXIL グループ副社長の八木さんという方も、 「『社長になったつもりで仕事をしなさい』と言い続けている。特に人事担当者にはそれが不可欠である」 と言っているそうです。

この人事担当者っていうのが肝なんですかね。 まあ確かに、ここまで順に読み進めると、組織っていうのは人で成り立っているのは明らかで、 それに関連するビジネスの課題って大量にあるので、人事担当者超重要ですね。

さらに前章からの戦略とイノベーションは不可分(融合)って話もセットで考えると、 つまりは HRM とイノベーションが融合する って話になってきます。

from 読書メモ: 世界標準の経営理論 - 第33章 戦略とイノベーションと経営理論

なんだかすごい。(言葉にパワーを感じるw)

なお、今の日本企業の人事施策は、ことごとくイノベーションに向いていない、とのことでした。

  • 新卒一括採用、終身雇用方式では、同じような人しか組織に取り込めない
  • 日本企業の多くは OJT などを通じて自社だけで通用する人材を育成しがち
  • 横並び人事

この辺のイノベーションに向いていない人事施策を、 イノベーションをはじめとしたマクロ心理学の分野で紹介されている理論を思考の軸にしつつ、 さらにミクロ心理学の視点と組み合わせることで、より良くできるのでは?と紹介されてます。

まとめ

  • 人事とイノベーションは融合する

周りで会社に属してる知り合いの方々も、確かに相当人事に力入れてたりしますし、 これから変化が求められる分野なのかなーって読みながら思いました。

しかし、人事もまた経営(経営学)の1つとなると、本当に経営、ビジネスって幅広いんだなって感じしますね。 一人で新規事業立ち上げて法人化して軌道に乗せてる人、本当に尊敬しますね。

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