読書メモ: 世界標準の経営理論 - 第2章 SCP理論を元にした戦略フレームワーク
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前回の 読書メモ: 世界標準の経営理論 - 第1章 SCP理論 の続きを読んでいきます。
その際にも書いたんですけど、経営とかはど素人で全然分からないんですが、まあ個人ブログだし、 読書や学習の記録をブログに載せるくらいはいいでしょ、という気持ちでメモを残していってます。
「ここの理解少し間違ってるよ」などあれば、どしどしご指摘いただければと思います。 よろしくお願いします。
ちなみにこの書籍、章ごとに独立して読めると謳われてはいるものの、第1章と第2章だけは同じSCP理論をテーマにしているらしいので、 第1章と第2章はセットにして読むといいようです。
『第2章 SCP理論をベースにした戦略フレームワーク』の概要
第2章はまとめるとこんな感じの内容でした。
- SCP理論、完全競争は儲かりにくく、完全独立は儲かりやすい、これをフレームワークに落とし込んだ例3つの紹介
- ファイブ・フォース 産業の収益性は5つのフォース(脅威)に規定され、フォースが強ければ完全競争に近づく
- 戦略グループ 同業他社をさらにグルーピングし、他社を同一グループの直接ライバルなのか、またはグループごとに優位性があるかなどを見ていく
- ジェネリック戦略 戦略は突き詰めると「コスト主導戦略」か「差別化戦略」の2つの包括的な分類で捉えられる
- SCP理論で説明しきれないケース、SCP理論の限界について
- 経済学をベースにした考え方で、市場が安定していることが求められるが、著しく競争が激しい(ハイパーコンペティション)世の中では通用しない
- 人間は合理的で、認知バイアスに影響されない、というのを前提としている
たぶん大きく言いたいことはこの2点で、 SCP理論を元にしたフレームワークはあれど、元となる理論をしっかり理解しておけば応用が利くよ 、という点と、 SCP理論はあくまで経済学から生まれた理論にすぎないので、振り回されないよう注意してね 、という点あたりでしょうか。
SCP理論を元にしたフレームワーク
この第2章の中では、3つほど紹介されてます。
- ファイブ・フォース
- 戦略グループ
- ジェネリック戦略
ファイブ・フォースについて
産業の収益性は 5つのフォース(脅威)に規定され、フォースが強ければ完全競争に近づく 、というものでした。
その5つのフォース(脅威)というのは、具体的には・・・
- 潜在的な新規参入企業
- 競合関係
- 顧客の交渉力
- 売り手の交渉力
- 代替製品の存在
この5つのようです。
書籍では、前章と同様にアメリカの国内線航空事業を例に挙げて紹介がされてましたが、 結局のところフォースが強まって完全競争に近づけば収益性は下がり、 フォースが弱まって完全独占に近づけば収益性は上がる、という基本は変わらないので、基本に立ち返れば良いと筆者は触れています。
戦略グループ
戦略グループは、前章にて「ケイブス=ポーターの企業グループ」として紹介されてましたが、 このブログではさらっとキーワードだけ触れただけでした。
ざっくり言うと、 同業他社をさらにグルーピング し、他社を同一グループの直接ライバルなのか、またはグループごとに優位性があるかなどを見ていく、というものです。
・・・。
この辺は戦略グループとしてまとめられている図を見れば一目瞭然に伝わるのですが、 本をそのまま撮影して載せるのも(引用レベルでは OK だろうけど)面倒だし、美しくないよなあと思ったので、 戦略グループとして違いがありそうなグループだけピックアップしてリストにしてみます。
- 自動車業界の戦略グループ
- グループ名: 世界広域にわたって展開するメーカー
- 地理的範囲(横軸): 国外
- 製品の範囲(縦軸): 広い
- 例: GM、フォード、トヨタ、日産・・・
- グループ名: パフォーマンス・カー・メーカー
- 地理的範囲(横軸): 国内よりも国外寄り
- 製品の範囲(縦軸): 狭い
- 例: ポルシェ、マセラティ、ロータス
- グループ名: 世界広域にわたって展開するメーカー
(書いてみたはいいものの、パフォーマンス・カー・メーカーの例でポルシェ以外は全然知らない・・・。)
おそらくこの辺が同じ自動車業界といえど、グループとしては異なるよねって話になってくるんじゃないかと思います。
これをグループ化したうえで、グループ間の参入障壁が高いかどうか(高い方が参入コストがある、つまり独占に近くて収益を守れる)などを分析していくようです。
ジェネリック戦略
結局のところ、「コスト主導戦略」か「差別化戦略」の2つの包括的な分類で捉えられるよね、って話で、 SCP理論からしてみたら「差別化戦略」取った方が独占につながるから答えは明らかだ、とされています。
SCP理論で説明しきれないケース、SCP理論の限界について
後半では、SCP理論で言われている、 構造的に儲かる産業と儲からない産業がある、というのは本当なの? という点に触れられています。
フレームワークごとに、こういう点で反論がある、行き詰まっていて別の新しい考え方が出てきている、などが紹介されてますが、 例えば戦略グループとしてグルーピングする上で、そもそも同じグループっていうのは 心理的な側面も入ってくる よね?とか、 グローバル化やITの発展によって、競争が激しくなりすぎてこの理論だけじゃ説明できなくなりつつある よね、などの話が出てきています。
まあそうですね・・・。
世の中は複雑なので1つの理論ですべて説明できるわけもなく、 じゃあかといって完全競争と完全独占の2点からなる考え方がすべて間違ってる、というわけでもないため、 理論を理解して「思考の軸」として使いましょう 、という形で締められています。
まとめ
- SCP理論を元にしたフレームワークを知らなくても、元となるSCP理論を理解しておけば応用が利く
- SCP理論はあくまで経済学から生まれた理論にすぎないので、思考の軸として使う
こんなところでしょうか。
完全独立に近づけるように行動する、ってことは、いわゆる生存戦略でもあると思うので、 もうちょっと自分の身近な話題に置き換えて考えて分析してみようかな、というきっかけになりそうで良かったです。
完全競争になって疲弊しないよう立ち回りたいですね。
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