前回の 読書メモ: 世界標準の経営理論 - 第14章 組織の記憶の理論 の続きを読んでいきます。
今日も少しずつ読んでいきます。
見出しのところに『世界唯一の、知の創造の理論』って書いてあって、 なにそれやばいと思ったところです。
「ここの理解少し間違ってるよ」などあれば、どしどしご指摘いただければと思います。
第15章はまとめるとこんな感じの内容でした。
組織学習の循環プロセス、さらにもう一度持ってきて貼り付けてしまいます。
今回はこれのサブプロセス2に相当する知の獲得に関する話で、 今まで知識と情報を混同していたよ、実は見えていた部分だけが情報となってきてて、見えてない部分にも知はあるよ、 というところから始まります。
そこで知識を2つに区別します。
前者の形式知は、言語化できているやつ、記号化できているやつです。 それに対して後者の暗黙知は、その逆に言語化できてないやつですね。
このように分けた上で、実は認知心理学って、この表面上見えている形式知の部分だけしか扱っておらず、 実際は氷山の一角みたく、見えてないところにでっかい氷山のような暗黙知が隠れているんじゃない? というところから話が始まります。
組織の知識の創造プロセスについて、 SECI モデルというのが紹介されています。 SECI というのは以下の頭文字の略ですね。
全体的に言えば、このサイクルをきちんと回すことで、組織としての知識の創造は出来ていくよ、とされています。
では順に。
まず出発点です。
誰かの暗黙知が、誰かに共有されないと話が始まらないので、まずそこを行います。
それをここでは 共同化 と呼んでいますが、いくつか方法(プロセス)があるよとされています。
身体を使っての共同体験、っていうのはだいたい想像つきますが、 共感はどうやってしてもらえればいいんだっていうのは中々悩ましい課題ですよね。
知的コンバットというのが紹介されていますが後ほど。
共有された暗黙知が出来たら、それを暗黙知の状態から形式知、つまりは 言語化 していきます。
ここでは3つ挙げられています。
なるほど。
デザインとは暗黙知を形式知化することだ、っていうのは中々面白いですね。
確かに一言で言えば 表出化 なのですごく納得です。
共有した暗黙知を形式知として言語化できたら、それを連結したりして組織と知としてまとめます。 これがいわゆる マニュアル化 に相当するのですが、 どうやら次章にてマニュアル周りについては少し触れられているようです。
また、会社の信条や方向性、戦略などの認知に関わるようなものを形式知にした場合は、 なかなかマニュアルでは伝わりづらいので、 異なる方法として ナラティブ(物語る) というのが紹介されています。
このナラティブに長けている人物として、マイクロソフトCEOのサティア・ナデラ氏が挙げられていますが、 もしかするとスティーブ・ジョブズの語りもそれだったりするんですかね。
連結化されて組織の形式知となったものを、最後に 実際に活用 して各々新たな暗黙知を獲得していくターンです。
まあここまでくればあとは実践、ということなんでしょうか。
上の SECI モデルのうち、最初の共同化で共感に至るまでにおいて、 一対一の徹底的な対話、知的コンバットが必要だと触れられています。
京セラの事例などが紹介されていましたが、詳しくは実際に読んでみたらいいと思います。
それ以外にもコラムとして移転させやすい知は外にも漏れやすい、みたいな話とか、 色々興味深い話がありました。
個人的には、この SECI モデルのうちの共同化(最初のやつ)のところに関しては、 一定 IT の力を使って改善していけるんじゃないのかなあとも思ったり。 今だと寿司屋に弟子入りせずとも、スクールとかで動画見せて共有することで、本来つきっきりでやらなきゃいけなかったところをスムーズにしたりとか。
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