読書メモ: 世界標準の経営理論 - 第15章 組織の知識創造理論(SECIモデル)

前回の 読書メモ: 世界標準の経営理論 - 第14章 組織の記憶の理論 の続きを読んでいきます。

今日も少しずつ読んでいきます。

見出しのところに『世界唯一の、知の創造の理論』って書いてあって、 なにそれやばいと思ったところです。

「ここの理解少し間違ってるよ」などあれば、どしどしご指摘いただければと思います。

『第15章 組織の知識創造理論(SECIモデル)』の概要

第15章はまとめるとこんな感じの内容でした。

  • 第12章の組織学習の循環プロセスのうち、2番目のサブプロセスの 知の獲得 に関する話
  • ここでの前提として、知識と情報は異なる、知には 暗黙知形式知 がそれぞれある
    • 形式知 … 言葉、文書、図表やプログラミング言語など
    • 暗黙知 … スポーツやアート分野、直感・ひらめきなど
  • SECI モデル とは、暗黙知と形式知のダイナミックな相互作用を表すもの
    1. Socialization 共同化 、暗黙知を他人と共有すること、共感
    2. Externalization 表出化 、共有した暗黙知を形式知にする、言語化
    3. Combination 連結化 、集団としての形式知を組み合わせて体系化する、いわゆるマニュアル化
    4. Internalization 内面化 、実際に活用し、各々新たな暗黙知を獲得する、アクション
  • 共同化を進めるためには、 一対一の徹底的な対話、知的コンバットが必要 なのでは?

組織の知の獲得プロセス

組織学習の循環プロセス、さらにもう一度持ってきて貼り付けてしまいます。

  • 組織学習は、循環プロセスとして以下の流れで説明される
    • サブプロセス1: 組織や人行動 することで 経験 を得る
    • サブプロセス2: 得られた 経験 を通じて、新たな 知を獲得 する
    • サブプロセス3: 生み出された は、 組織・人記憶 される

今回はこれのサブプロセス2に相当する知の獲得に関する話で、 今まで知識と情報を混同していたよ、実は見えていた部分だけが情報となってきてて、見えてない部分にも知はあるよ、 というところから始まります。

そこで知識を2つに区別します。

  • 形式知 … 言葉、文書、図表やプログラミング言語など
  • 暗黙知 … スポーツやアート分野、直感・ひらめきなど

前者の形式知は、言語化できているやつ、記号化できているやつです。 それに対して後者の暗黙知は、その逆に言語化できてないやつですね。

このように分けた上で、実は認知心理学って、この表面上見えている形式知の部分だけしか扱っておらず、 実際は氷山の一角みたく、見えてないところにでっかい氷山のような暗黙知が隠れているんじゃない? というところから話が始まります。

SECI モデルとは、暗黙知と形式知のダイナミックな相互作用を表すもの

組織の知識の創造プロセスについて、 SECI モデルというのが紹介されています。 SECI というのは以下の頭文字の略ですね。

  1. Socialization 共同化
  2. Externalization 表出化
  3. Combination 連結化
  4. Internalization 内面化

全体的に言えば、このサイクルをきちんと回すことで、組織としての知識の創造は出来ていくよ、とされています。

では順に。

Socialization 共同化

まず出発点です。

誰かの暗黙知が、誰かに共有されないと話が始まらないので、まずそこを行います。

それをここでは 共同化 と呼んでいますが、いくつか方法(プロセス)があるよとされています。

  • 身体を使っての共同体験
    • 見よう見まね
    • 例: バッティングの素振り
  • 共感・対話
    • 相手に共感してもらう
    • 徹底的に対話する、知的コンバット(後述)

身体を使っての共同体験、っていうのはだいたい想像つきますが、 共感はどうやってしてもらえればいいんだっていうのは中々悩ましい課題ですよね。

知的コンバットというのが紹介されていますが後ほど。

Externalization 表出化

共有された暗黙知が出来たら、それを暗黙知の状態から形式知、つまりは 言語化 していきます。

ここでは3つ挙げられています。

  • 比喩(メタファー)・たとえ(アナロジー)
    • 例: 千切り経営、包丁で千切りにするように事象を細かく刻んで分析、的なことを比喩で表現
  • アブダクション(仮説化)
    • いわゆるハッとした気付き、閃き
    • 事象を超観察する、徹底的な事実の察知
  • デザイン思考
    • そもそもデザインとは、暗黙知を形式知化すること
    • 経営理念などは暗黙知的な側面が強いので、デザイン思考の手段などを用いて形式知化していく

なるほど。

デザインとは暗黙知を形式知化することだ、っていうのは中々面白いですね。

確かに一言で言えば 表出化 なのですごく納得です。

Combination 連結化

共有した暗黙知を形式知として言語化できたら、それを連結したりして組織と知としてまとめます。 これがいわゆる マニュアル化 に相当するのですが、 どうやら次章にてマニュアル周りについては少し触れられているようです。

また、会社の信条や方向性、戦略などの認知に関わるようなものを形式知にした場合は、 なかなかマニュアルでは伝わりづらいので、 異なる方法として ナラティブ(物語る) というのが紹介されています。

このナラティブに長けている人物として、マイクロソフトCEOのサティア・ナデラ氏が挙げられていますが、 もしかするとスティーブ・ジョブズの語りもそれだったりするんですかね。

Internalization 内面化

連結化されて組織の形式知となったものを、最後に 実際に活用 して各々新たな暗黙知を獲得していくターンです。

まあここまでくればあとは実践、ということなんでしょうか。

一対一の徹底的な対話、知的コンバット

上の SECI モデルのうち、最初の共同化で共感に至るまでにおいて、 一対一の徹底的な対話、知的コンバットが必要だと触れられています。

京セラの事例などが紹介されていましたが、詳しくは実際に読んでみたらいいと思います。

まとめ

  • SECI モデルで知の創造のサイクルを回す

それ以外にもコラムとして移転させやすい知は外にも漏れやすい、みたいな話とか、 色々興味深い話がありました。

個人的には、この SECI モデルのうちの共同化(最初のやつ)のところに関しては、 一定 IT の力を使って改善していけるんじゃないのかなあとも思ったり。 今だと寿司屋に弟子入りせずとも、スクールとかで動画見せて共有することで、本来つきっきりでやらなきゃいけなかったところをスムーズにしたりとか。

もし記事内に誤りなどございましたら、 @girigiribauer までご一報いただけると助かります。