前回の 読書メモ: 世界標準の経営理論 - 第29章 資源依存理論 の続きを読んでいきます。
ここから3章分は、社会学の中でもエコロジーベースの話、生態学周りの話だそうで。
そもそも生態学よく分かってないんですけど、 どうやら生物と環境の間の相互作用を研究する分野らしいです。へー。
ここもいまいちよく分かってないところなんですけど、 社会学を研究している人が、生態学を参考にしてるってことなんでしょうか? ということは、今回はさらに経営学を研究してる人が、社会学を参考にして、さらにその人が間接的に生態学を参考にしてる、ってことなんですかね?よく分からないw)
まあいいか、使えそうなところがあれば学び取っていければいいかなと。
「ここの理解少し間違ってるよ」などあれば、どしどしご指摘いただければと思います。
第30章はまとめるとこんな感じの内容でした。
どうやら組織エコロジーは総称らしく、大きく8つの派生分野に分かれているらしいです。 一応本書において8つ紹介されていたのですが、そこまで興味が惹かれないので、全体で共有されているという前提3つだけ触れておきます。
ここの2つ目はまさに生物って感じしますね。
この章ではそのたくさんある派生的なところから、大きく3つ紹介されているので、順に見てみます。
2つメカニズムが働いてるよ、と紹介されているのですが、 その話を理解するためにも、業界が生まれて死んでいくまでに大きく4つのゾーンに分かれているよ、という話を理解した方がいいかもしれません。
アメリカでの新聞業界の例で触れられていたのですが、 19世紀半ばに一般大衆向けの新聞が出回り始めてから(ゾーンA)、 新聞が市民権を獲得し始めて(ゾーンB)、 多くの企業家が新聞業界に参入するようになった(ゾーンC)、という流れが紹介されてます。
これってたぶん、いわゆるブルーオーシャン、レッドオーシャンと言われるやつですよね。 レッドオーシャンがまさにここでいうゾーンDに相当するのかなと。
ここでは二つのメカニズムが働いているよ、というのが併せて紹介されています。
他にもここでは料理レシピサイトの具体例が紹介されてます。 クックパッドはゾーンAのタイミングで創業したのですが、 始めたころはまだネット回線も遅くて市民権を得られなかったものの、 そのうち写真も上げやすくなり市民権を得て、利用者が爆発的に増えていった、という話です。
ゾーンCからDにかけて参入が競合サービスがどんどん増えてるのはすごく理解できますね。
これ、仮説なんですね。
実際、若い企業ほど死にやすい仮説と紹介されているわけではなくて、年齢に依存するかもよ?(若者、年寄り、どちらとは言っていない) みたいな感じです。
筆者的には環境変化のスピードのせいでは?と触れられています。
生態系で、なんでも食べる生物(例: どんな草でも食べるバッタ)と、特殊なエサしか食べない生物(例: アブラナ科の植物しか食べないモンシロチョウ)がいて、 同じようにビジネスに応用したうえで、 多くの顧客を相手にするマス市場と、特定の顧客だけに絞るニッチ市場の、どちらを狙ったら良いか?という話の参考になるよ(意訳)、というのが捕食範囲の理論です。
うーん、なるほど?
組織エコロジーの理論の前提として、
というのがありました。
業界も生まれてから死ぬまでの長期間の視点で見るのが前提となっているようで、 だからこそ数十年単位で先を見据えていく必要があるよ、 メガトレンドの視点 が必要だよ、と最後に紹介されています。
シーメンスという企業の例が紹介されているのですが、 情報通信や自動車部品から早々に撤退し、 今はエネルギー、工業部品、ヘルスケアなどが主力となっているそうです。 さらにこの先にゾーンA、Bの業界に早めに投資するために、社内でメガトレンドの視点を徹底的に揃えていっているそうで。
シーメンス社が想定するメガトレンドには以下のようなものがあるそうです。
ほえー、確かにこの辺前提としつつ、新たな業界に投資していくのと、全く考えずにガムシャラに動いていくのとでは全然違いそうですね。
密度依存理論周りの話はすごく理解はできたんですけど、 なんだかそれ以外の理論・仮説はあまりピンとこない感ありましたね。
たぶん企業は変化しないっていうのを前提としているところが、そもそもなんか若干噛み合ってない感は個人的に感じました。 マクロ視点で淘汰・生き残りをベースにした話だと、個々の学習、アップデートの話にはなってこないので、 そういう意味であまり参考にならないのかなあという気もします。
とはいえ、業界研究においては一定参考になりそうかなという感じがします。
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