前回の 読書メモ: 世界標準の経営理論 - 第23章 センスメイキング理論 の続きを読んでいきます。
さて、今回から第4部、社会学ディシプリンの経営理論のターンに入っていきます。
社会学のターンは関係性を見ていくやつだと思うので、また今までとは異なる話になっていきそうですね。 今回の第24章から第32章までがそれにあたるらしいです。9章分。
「ここの理解少し間違ってるよ」などあれば、どしどしご指摘いただければと思います。
第24章はまとめるとこんな感じの内容でした。
どうも流れ的には前回の心理学のターンと同じらしく、古典は経済学が持つ仮定への疑問、 具体的には、いつでもどこでもビジネスのやりとり可能じゃないっぽいし、 合理的っていうのも疑わしくない?ってところから始まっているようです。
そういう分野をエコノミック・ソシオロジーというらしいのですが、 以前出てきた経済学視点からは大きく2つルールが変わります。
前者は人の認知に限界があるっていうのに近いかもですね。 関係性においてもいきなり見ず知らずの人とやりとりできるわけはなく、人脈・ネットワークから徐々にビジネスが生まれてくるよ、とされています。
後者については、埋め込まれたつながりがなんなのか?ってところから触れた方が良さそうです。
人同士のつながりには3つのレベルがあるよ、というところからエンベッドネス理論は始まるようです。
両極はそれぞれ合理性で語られるのに対して、その中間が欠けているよ、その中間は合理性で動くとは限らないよ、というのがエンベッドネス理論の肝のようです。
ちなみに、アームス・レングスというのはよそよそしいという意味があるようです。
なるほど。確かに初対面でのビジネスや、会社の上司部下のやりとりに対して、顔馴染みの取引相手とのやりとりって、だいぶスタンスが違いそうな気がします。
5つあるようです。
一度つながった相手とは繰り返しつながり、安定していく傾向があるそうで。
一度つながるとその次は相手のことを知っているので、よりヒューリスティックな意思決定に頼ることができるとありますが、 これってもしかすると第21章に出てきた意思決定の理論における直感の話とつながるところもありそうですね。 (ビジネスに慣れてくると直感使った方が効率的な話)
読書メモ: 世界標準の経営理論 - 第21章 意思決定の理論
その先でさらにつながっている他者とつながりやすい、具体的には、AさんBさん、BさんCさんのつながりから、 ABCの三角形ができるといったことを、構造的な埋め込みというそうです。
また次章にて詳しく説明あるそうです。
より多くの人とつながっている人ほど、情報獲得・発信の面で有利となる、とのことで、 これをネットワーク上の中心的なポジションにいる、 ネットワーク中心性 というようです。
これは構造性の埋め込みで触れた、直感使った方が効率的みたいなのと近いですかね。
第5章にて、情報の非対称性によってアドバース・セレクションという問題が起きちゃう、みたいな話がありましたが、 私的情報を交換しやすいということは、情報の非対称性が起きにくいということにもなる、ということのようです。
なるほど面白いです。
この前 WBS (ワールドビジネスサテライト)でも紹介されていたのですが、転職したい人に対して、 転職元の同僚とか上司がレビューするというリファレンスチェック( backcheck という名前のサービスだったかな)という仕組みが紹介されてましたが、 まさにこれも、埋め込まれた繋がりで、私的情報を交換して情報の非対称性をクリアした事例なんじゃないかなって読んでて思いました。
これかー。 https://backcheck.jp/
今回、具体事例を概ねスルーしてきちゃったんですけど、 日本はつながりの宝庫だよーって話とか、インターネットによる新しいつながりあるよーとか、 色々事例交えて紹介されていたので、続きはご自身でどうぞ。
次章以降は、どうやらこのエンベッドネス理論をベースに話が進むらしいので楽しみです。 (やっぱり順番に読んだ方が良い気がするんですけどもw)
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