読書メモ: 世界標準の経営理論 - 第40章 経営理論の組み立て方

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前回の 読書メモ: 世界標準の経営理論 - 第39章 ビジネスと経営理論 の続きを読んでいきます。

第40章 経営理論の組み立て方

ここから第6部、あと残り2章ですが、ずいぶん読みました・・・。

  • 第40章 経営理論の組み立て方
  • 第41章 世界標準の実証分析

残りはメタ的な内容になりそうですね。

「ここの理解少し間違ってるよ」などあれば、どしどしご指摘いただければと思います。

『第40章 経営理論の組み立て方』の概要

第40章はまとめるとこんな感じの内容でした。

  • 人とは何か?に前提を持って議論をする ことが大事
    • 誰もが経営理論っぽい話をしているが、知らず知らずのうちに何かの前提に立って話をしている
      • 例: 知の探索ならば人の認知には限界がある、的なところ
    • 前提が異なると話噛み合わなくなるので注意

理論の組み立て方の話

だいぶ端折っちゃいました。

前段で第1の想定読者として学生や若手研究者と挙げられていて、 加えて多くのビジネスパーソンにも十分に一読の価値がある、とあったのですが、 理論構築までは(ビジネスパーソン視点では)正直やりすぎ感あるので、ばっさり端折ってしまいます。

まあ、大企業でそういうところに時間かける余裕がある部署とかだったら分かるんですけどねえ・・・。

ちなみに、じっくり観察して、分類したり抽象化したりして、関係性を描き出したり、みたいな、 おそらく他分野でも同じ流れになりそうな理論の確立までの話が色々紹介されてます。 興味のある方はご自身でどうぞ。

そもそも、人はこういうものだ

こういった、そもそも人はこういうものだ、という前提を、誰しもが持って話をしているよ、 この前提大事だよ、と最後の方で紹介されています。

この前提が異なっていると、そもそも話が噛み合わないので、 だからこそ、 人とは何か?に前提を持って議論をする ことが大事だし、 普段から常に「人とは何か?」を強く意識することが重要だと、と触れられています。

そもそも、今までの理論も前提に立ったものでしたね。

  • 経済学、人は合理的である
  • 心理学、人の認知には限界がある
  • 社会学、人は限られた条件(埋め込まれたつながり)において合理的ではない

色んな方々の「人とは何か?」が紹介されていたので最後にメモ。

  • 人間は「自分だけ良ければいい」と利己的に考えがちです。しかし本来、人間は人を助け、他の人のために尽くすことに喜びを覚える、美しい心を誰もが持っています。(稲盛和夫氏 京セラ名誉会長)
  • 人間はインセンティブの奴隷です。お金がほしい人はお金の、権力がほしい人は権力の、名誉がほしい人は名誉の奴隷になります。それが友情でも、家族愛でも、集団への帰属意識でも、本人にとって重要な欲求であればインセンティブの一種です。そして、そうした欲求は本人の性格とも深く関係します。要は「人はインセンティブと性格の奴隷」なのです。(冨山和彦氏 経営共創基盤代表取締役CEO)

あっ冨山和彦さんって方も、確か WBS (ワールドビジネスサテライト)に出演されてましたね。

このように、常に人とは何か?を考えることが大事だよ、と紹介されています。なるほど。

人とは何か?の前提が異なってくると、確かに話噛み合わないっていうのは、 今まで出てきた理論を見てみてもそうだなーと思えるところがありますね。 (時には前提が異なるだけで、結論が全く逆のこと言ってたりすることもありますし)

まとめ

  • 人とは何か?を常に考える

人は複雑なので、何かの前提に立たないと議論すら難しいのはすごく分かります。 数学とかだったら曖昧な部分がだいぶなくなってるので議論しやすいんだと思うんですけど、 こういう自然言語で理論を組み立てていくのって大変だろうなあと読んでて思いました。

けっこうエンジニアリングの分野でも、前提というか、文脈(コンテキスト)が異なるのに、 これがこうだ、いやちがう、みたいな議論をしてるみたいな話は往々にしてありますよね。

議論の前提、大事だ・・・。

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